【経験者が語る】 アパレルとは

アパレル業界25年以上在籍した経験から、これからのアパレル業界についてお話しします。

業界用語的に使われる「アパレル」とは

バイヤーになるには?

プレスになるには?

デザイナーってどうやってなるの?

アパレル業界の給与は?ボーナスは?

アパレル業界のまとめ

【経験者が語る】アパレルとは

「アパレル」の語源はフランス語

「apparel」=着るとか、衣服、洋服と言う意味で使われます。が、フランス出張で私が経験した中で、「アパレル」と言う言葉は殆ど使われませんでした。
ヨーロッパでは洋服の事を、「Prêt-à-porter」(プレタポルテ)=服、洋服 と言っていました。
洋服と言う意味としては、プレタ、又は、プレタポルテと言う言葉で使う方が多いですかね。
じゃあ、「アパレル」って何語?と言うと、これは英語ですが、じゃあ英語圏で使われると言うと、殆ど使っていませんね。
アメリカで、「君何の仕事しているの?」って聞かれたら、殆どの場合「Fahion industry」=ファッション業界、って言う感じで使ってましたので、「アパレル」なんて言葉使っても「??」って感じになります。
アパレルって言う言葉の仕様頻度が多いのは、日本独自かなと思います。

今ではアパレルショップでも、雑貨や靴、生活雑貨と言った様々な商品を扱っている為、雑貨=身の回り業界も含めて、「アパレル」と言う言い方の方が正しいかと思います。
ちなみに、セレクトショップのこの「ショップ」と言う言葉も海外では「ストアー」です。
ショップと言う言葉を使う場合、ファッションビルに入っている店舗の事を「ショップインショップ」と言う風に言います。
ので、海外で、店舗の事をショップと言う言い回しよりも、「○○ストアー」が一般的ですね。

バイヤーになるには?

 どうやってバイヤーになれますか?
プレスってどう言う仕事ですか?
 デザイナーになりたいけど専門の学校に行っていません?

前職の会社面接で、新卒採用の時に良く質問された内容のベスト3がこの質問でした。
面接では言いませんでしたが、答えから言うと、「なろうと思えばなれます。」
ただし、なる事自体簡単な場合もありますし、そうでない場合もあります。

その1
その会社、又は、ブランド事業部でバイヤーが退職したしてしまった、現在空きがある。
この場合、新卒ではなく中途採用が殆どなので、新卒で狙っていくには少し遠い道のりですね。

その2
新しいブランドを立ち上げるか、海外ブランドと提携し販売して行く事になった。
このケースの場合、経験者は事業部長やブランド長と言った人が別の部署から移動して来ますが、私の経験では、良い上長に気に入られれば、面接で即時バイヤーと言う人も少なくありません。

しかし、上長も他の部署から来ますが、バイヤーも他の部署から来る事もあります。
そして、注意が必要なのは、バイヤーが他の部署に行く場合、元の部署での成績が悪いか、年齢的な問題で、その部署の新陳代謝として移動してくる場合が多いです。

偏った見方ですが、このケース場合、いわゆる「寄せ集め」となるケースが多いので、チームワークが無いのと新しい作業や仕事、経験者が少ないので、ブランドが売れなくて数年で解散や、上長がまた別の部署に飛ばされるケースがありますね。

新しいブランドは3年目で収益が出れば、継続して行きますが、2年半で収益が出ない場合、2年目の半年終わりで、社長や、上長の上の人からブランドの終了を告げられます。

プレスになるには?

 プレスになるには、、と言ってもですが、2018年ぐらいまでは、アパレル業界でプレスはブランドの売上を左右する様な存在感がありました、雑誌の掲載の為にスタイリストとの打ち合わせや、ターゲットとするタレントモデルに自社のブランドを提供したり、着てもらったり、たまには仲良くなってモデルやタレントと友達にって食事をする様な人も居ました。

しかし、近年、雑誌やTVにブランドが掲載されてもそれが売上に反映される事はめっきり減っています。
理由は簡単で、消費者がネットで洋服を購入する事や、雑誌を見る事も無くなり、どんなに雑誌に掲載されても売上は過去の売上を超える事は出来ないと言う程の程度しかありません。そうなると、プレスと言う存在自体がブランド事業の重荷になっている企業も多いと思います。

プレスの為に、プレスルーム(ショールーム)を用意したり、する事も家賃がかかり企業としては多大なコストです。
販売員と違って直ぐにお金になる人を相手にしている訳ではないので、プレスは、費用しか掛かりません。
今では、SNSやブログ、youtuberに衣装を提供したりする事がとても重要なのですが、どの企業にもその様なITの知識を豊富に活用出来るプレス担当者を見た事がありません。
逆に言いと、ITに強くなる事でブランドの売上には欠かせない存在になる時代になったと思いますし、それに付いていけない現代のプレス担当者は、企業のお荷物以外の何物でもありません。

デザイナーってどうやってなるの?

 どの業界にもデザイナーは居ますがそれに免許はいりません。
採用するには、その人の経験や実績から判断されます、しかし、今、有名なデザイナーでも最初は皆デザイナーではありません。では、どの様になれば良いのか。


デザイン画が書けなければならない?
センスが良くなくてはならない?
ファッションブランドに精通してる?


他にもいろいろな疑問があると思いますが、どれも必要無くても問題ありません。
販売員からカリスマデザイナーになった有名な方も居ますし、別の業界から転職してデザイナーになった人も居ます。
何が基準か、と言うと、私の答えとしては、「特にありません」
しいて言うなら、商品に対して「もう少しこんな感じだったら良いのに」とか「私ならこの色にするのに」とかそんな程度の発想から、色々な人に伝えて行くと、この人割とセンスがあるんでは無いか?と言われる様になり周りから一目置かれ、気が付いたらデザイナーになっていたと言うのが殆どでしょう。

こんな形でデザイナーの肩書が付けば、デザイナーとしての最初の一歩です。
これで転職の時、履歴書にデザイナー歴と言う項目を書く事が出来ます。
ただ、バイヤーになるにはでも述べた通り、作った物が売れなければ「売れないデザイナー」のレッテルを貼られ、周囲から「あの人に作らせてはダメ」と言う存在になる可能性もあります。

アパレル業界の給与は?ボーナスは?

 1990年代、いわゆるバブル経済と言われた時代、ショップ販売員でも手取り40万は当たり前でした。
しかし、バブル崩壊、リーマンショックを経て現在の給与は

ショップ販売員給与、(おおよそ)
大卒新卒で、手取り15万~22万 年収180万~270万
中途採用で、手取り17万~24万 年収200万~290万

 ひと昔前の様に、福利厚生で、洋服の無料支給や、激安で購入できる特典も無くなり、自分で商品を購入する事が多く、はっきり言って割りが合いません。
 ボーナスは実際自分のブランドの売上が良くても、会社の業績が悪い場合、今は殆ど出ないと言っても過言ではありません。

バイヤー、プレス給与(おおよそ)
社歴 3年目で、手取り18万~25万 年収220万~300万
社歴5年目で、手取り20万~27万 年収240万~330万

別に、販売員より偉い訳ではありませんので、社歴に対して給与が支給されるのが国内アパレル業界の一般論です。
この金額はプレスでも同様です。
芸能人やタレントと親しいからと言って給与が上がるわけではありません。
社歴に準ずると言う企業が殆どで、何も特別に給与が支払われる事はありません。

デザイナーの給与はほぼ、年収契約が多く、単年契約社員か外注が多いので、その人の実績と経験から入社時に判断され、業績が上がったとしても、給与が変わる事がありません。
デザイナーは上手く続いても、同じ会社に5年居られれば良い方ではないかと思います。
逆に10年居られると商品の鮮度が全く変わりませんので、ブランドにとっては悪影響になる可能性もあります。

デザイナー給与(おおよそ)
経験2年で、手取り25万~30万 年収300万~360万
経験5年以上で、手取り30万~35万 年収360万~420万
特:経歴10年以上、パターンも引ける、CADが使える、年収500万~700万

と言う所が私の経験の中での相場で、転職の場合、後は面談で交渉次第と言う感じでしょうね。

ただし、販売員とバイヤー、プレス、デザイナーが大きく違う点があります。
それは、「必要経費」です。

バイヤー、デザイナーには、出張や市場調査として外に出る機会が多く、その際、交通費や出張経費が出ます。
また、企業によっては、出張1日あたりの食費も別途支給され、サンプル購入代と言って、商品を作る見本となる物があれば購入して良いと言う企業は多いです。
その際、自分のカードで決済した場合、カードのポイントが付与され、そのポイントは自分の物です。
また、海外に行く事や国内で飛行機を使用する場合、自分のマイルに貯める事が出来る会社は多いです。
実際私もバイヤーの時、2年ぐらいで8万マイル貯めた事がありました。
当然次の出張時に、ビジネスクラスへアップグレードしました。(( ´∀` ))
プレスも同様に芸能人やタレント、モデルに自社ブランドを着てもらうのに、色々な食事会やイヴェントに引っ張り出す為、その費用は当然会社経費です。おもり代とも言われます。
特に、大御所スタイリストには頭が上がらないブランドプレス担当者は、神の様にお供えする豪華なプレゼントや高級レストランでの会食会を開き、かなりの経費を使っていました。

アパレル業界のまとめ

新卒で直ぐにバイヤーになる事は殆ど無いケースが多いです。ただし、面接時に社長に気に入られたり、ファッションセンスを認められたりした場合、バイヤー候補として成長させてくれるケースはあります。
バイヤーになって一番あこがれるのは、海外出張や、展示会で新しいブランド開発、自分のセンスで商品を決めて店の構成が出来る権限がある事です。
しかし、その商品が売れ残った場合、社内では、売れないバイヤーとしてレッテルが貼られ、数年でセンスの無い人として認知される事は良くある事です。

また、経験もないのに、デザイナーと言って 転職してくる人も居ます。本当に居ます。((+_+))
しかし、本当にデザイナーかどうかは、やらせてみなければ分からないのが実情です。
極端に言うと、売れれば「天下」売れなければ「地獄」です。
ただし、昨今はデザイナーでもITには強く無いと物は売れません。
ネットで売れているトレンドだったり、人気youtuberのファッションや情報を一早く感がられる人がこれからのデザイナーに必要な条件だと私は考えます。

 テレビや雑誌の時代は終わり、ITを活用出来る人材を、アパレル業界の全職種で広く求めています。
ネット販売でも店舗と連携出来る事から、自分がインフルエンサーとなる事も大いに考えられ、転職にも非常に重宝される事間違いないです。
自分が数万人の登録者を持つインフルエンサーだったり、ブロガーだったり、一人でブランドを作れるぐらいの人を集められる様なら、もう自分でブランドを作った方が良いです。
今は昔に比べ、何でもネットで素早く簡単に商品化出来るので、自分がブランドデザイナーとなれば、誰からも何か言われる事無く好きな物を作れる時代だと思います。